読書メモ:マンガでわかる! 仮説思考
概要
内田 和成
宝島社
2018年11月15日出
きっかけ
マンガですので就寝前の軽い読みものに、と気軽に手に取った本。
生産性の向上や残業抑制などが叫ばれる一方、物凄いスピードで状況が変わっていく現代。入手できるデータを全て集め、分析、決断するという判断プロセスではどうしても時間も足りないし、スピード感が生まれないなぁと感じている中、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)で網羅・分析思考からタイトルの「仮説思考」に切り替え、仕事のスピードを上げていったという著者の経験に興味があり手に取ってみました。
まとめ・メモ
「仮説思考」とは、手元にある情報のみでまず先に仮の答え(仮説)を出し、その答えの証明に最低限必要な情報収集と分析作業だけを行う思考法。何を選び何を捨てるかの素早く決定する。環境の変化が速く、少し前には正しかった判断も通用しなくなる時代であり、より素早く判断し、行動する必要がある。
「網羅思考」とは、情報収集や分析を絶対視しその作業に没頭し、決定を先送りにする。何事にも慎重な日本人は情報収集や分析を重視し意思決定を先延ばしにしがちだが、どんな仕事にも締め切りがあり、人手、時間にも限りがある。そもそも情報が多ければ正しい意思決定が下せるというのは誤りであり、どんなにたくさん情報を集めてもそれが正しい判断、成功に導くとは限らない。 網羅思考で情報収集分析に終始すると、選択肢が広がってしまい、時間は限られているため、最終的には「えいや」と勢いで決断するはめになりがち。
仮説を立てる際の有効な手段とは?
著者によるBCGのコンサルタントのヒアリング調査では、誰かと話している時に思いつく、という回答が多いとのこと。あらかじめ考えていたことに対してディスカッション相手の発言に刺激されて考えがブラッシュアップする、もしくはインタビュー途中に全く考えてもみなかったことを見聞きし、棚からぼたもち的に新たな考えを思いつくというもの。人に聞いてしまうことはたくさんの資料を読み込むよりも手間や時間がかからず、有効な手段。
仮説思考は間違えてからが本番
当然、仮説が間違っていることもある。仮説とはあっていても間違っていても進化させていくもの。仮設が間違っていても選択肢の一つが消えるわけであり、仕事は前進すると考える。仮説の否定された段階で大体は新たな仮説の芽は発見される。仮説→検証のサイクルを繰り返すことが重要。
論点思考
解くべき問題のことを論点と呼び、論点を設定するプロセスを論点思考と呼ぶ。論点設定は問題解決プロセスの上流に位置し、論点自体が合っていないと 正しい問題を解いていないことになり、効果がない。問題解決に効果がないとき、論点が正しいか再検討することが重要。
上司や顧客から問題点の改善を求められた時、その依頼主があまり関心を持っていないところ、気づいていないところにまことの問題が潜んでいることが多い。指示・提示された論点を一度疑ってみるくせをつけるとよい。
論点を検証する三つの視点
1.解決できる問題か
2.解決案が実行可能か
3.解決したら効果があるか
解決できて、簡単に実行でき、効果も高い問題が、筋のいい問題。
論点が確定したらイシューツリーで論点を整理し全体を確認。
イシューツリーで上位の論点を導く
今設定している上位の論点を考えることで、今の論点の真横に並ぶ新たな論点を浮かび上がらせる。上位の論点を考えることで、他の論点がないか探り、より効果が上がる可能性を探る。